top of page
tree.png
CALMU Gallery更新履歴
コルネリス・トロースト ― 18世紀アムステルダムの人々

今週の画家特集

コルネリス・トローストは、アムステルダムで俳優としても活動した画家でした。その作品には、どこか舞台を思わせるところがあります。効果的な小道具、意味ありげなしぐさ、今にも話し出しそうな人物たち。このコレクションでは、18世紀前半のアムステルダムの家々や組織を、トローストの絵とともに訪ねます。孤児院の理事を務めた材木商、騎兵隊の将校とその妻、ライデン大学の医学者ブールハーフェ、地球儀とチェロに囲まれた芸術愛好家、チェンバロを囲む一家。肖像画の合間には、日差しあふれる運河沿いの邸宅の庭や、音楽を楽しむ男女、喜劇の一場面も登場します。優雅で観察眼に富み、ほのかなユーモアをたたえた、18世紀アムステルダムの人々の姿をお楽しみください。

2026年10月30日

 配信中 

金ぴか時代の肖像 ― アメリカの顔

今週のアメリカ絵画

19世紀の終わりから20世紀の初め、アメリカの画家たちは肖像画を単なる似顔絵以上のものへと高めていきました。このコレクションでは、四人の画家による十点をご紹介します。ミュンヘンで学んだチェイスは、くすんだ無地の背景に優雅な全身像を描きました。エイキンズは、物思いにふける義弟や編み物をする年配の女性を、飾らない率直なまなざしでとらえています。アレクサンダーは、ささやかな手仕事に没頭するしなやかな女性像を好み、晩年の詩人ウォルト・ホイットマンの姿も残しました。同世代随一の肖像画家とうたわれたサージェントは、芝生に寝そべる二人の少女を軽やかな筆で描いています。金ぴか時代のアメリカ肖像画の多彩な表情をお楽しみください。

2026年10月30日

 配信中 

静かな室内 ― オランダの暮らしの情景

今週のヨーロッパ絵画

17世紀のオランダ共和国の画家たちは、身近なところに新しい題材を見いだしました。それは家の中そのものです。タイル張りの床と白い壁、鉛枠の窓から差し込む光、牛乳を注ぐ女中、具合の悪い子を抱く母親、手紙に読みふける若い女性。このコレクションでは、互いの仕事を意識し合っていた四人の画家による十二点の室内画をご紹介します。デルフトで活動したフェルメールとデ・ホーホは、光そのものを部屋の静かな主役にしました。メツーは温かみとユーモアを、テル・ボルフはつややかなサテンと繊細なしぐさを持ち込み、家の最も私的な場所へと私たちを招き入れます。大きな出来事は何も起こらない、その静けさこそが見どころです。

2026年10月30日

 配信中 

奇想の系譜 ― 若冲・蕭白・蘆雪

今週の日本の美術

18世紀後半の日本には、当時の常識にとらわれず、独自の道を歩んだ画家たちがいました。伊藤若冲は、鶏や鶴、梅の花を、緻密な彩色や大胆な水墨で描き分けました。曾我蕭白は古い室町時代の筆法をよみがえらせ、それを荒々しい山や不思議な笑みを浮かべる人物に用いました。円山応挙に学んだ長沢芦雪は、意表をつく構図と温かなユーモアで、文机の鼠や雪の中の子犬を描きました。三人は今日、「奇想」の画家としてよく並べて語られます。このコレクションでは、掛軸と屏風あわせて十一点を通して、鳥や動物、月、福の神といった身近な題材が、奇妙で機知に富んだ、忘れがたい姿に変わる様子をお楽しみください。

2026年10月30日

 配信中 

漆で描く四季 ― 柴田是真

今週の画家特集

柴田是真は漆工家であると同時に絵師でもあり、その二つの技をめずらしい形で結びつけました。紙の上に漆で絵を描く「漆絵」です。漆は本来、箱や盆に塗る、厚みがあって乾きにくい素材ですが、是真の手にかかると、深い黒や温かな琥珀色、朱や金といった独特の艶をもつ画材へと生まれ変わります。このコレクションでは、1882年の年記をもつ画帖からの作品を含む十一図を、季節の流れに沿ってゆるやかに並べました。春の筍や白い牡丹に始まり、秋の稲叢と蜻蛉、怪しい火のそばの狐、そして冬の雪のなかの鳥へ。どれも身近な題材ですが、画面に目を近づけると、一筆ごとに職人の確かな技が感じられます。

2026年10月23日

 アーカイブ 

暮らしの風景 ― 19世紀アメリカの日常

今週のアメリカ絵画

19世紀のアメリカ絵画は、雄大な風景や名士の肖像ばかりを描いたわけではありません。このコレクションには、ふつうの日々を描いた絵を集めました。生涯の大半をロングアイランドの村で過ごしたウィリアム・シドニー・マウントは、リンゴ酒をしぼる人々や、くじ引きのテーブルを囲む男たち、彼らが暮らした古びた農家を描いています。ウィリアム・P・チャペルは、小さなスレート紙にニューヨークの街角を描き、パン屋や靴磨き、消防士、夜警が整った家並みのなかで働く様子を記録しました。イーストマン・ジョンソンは、にぎやかな居間や農家の台所、ナンタケット島の収穫の集いへと私たちを案内します。発展してゆく国の、仕事と憩いと近所づきあいの穏やかな肖像をお楽しみください。

2026年10月23日

 アーカイブ 

水の都の眺め ― カナレットとグアルディ

今週のヨーロッパ絵画

18世紀のヴェネツィアは、訪れた人々がその姿を持ち帰りたいと願う街でした。広場や教会、運河を描くことを生業とする画家たちも現れ、こうした都市の眺めはヴェドゥータ(景観画)と呼ばれました。このコレクションでは、その代表的な二人の画家を紹介します。1697年にこの街で生まれたカナレットは、澄んだ光と確かな輪郭、丹念に組み立てた遠近法で、煙突や窓の一つひとつまでがあるべき場所に収まっているかのように描きました。一世代若いフランチェスコ・グアルディは、同じ街をやわらかな靄の向こうに見つめ、すばやく揺らめくような筆づかいで水と空気の動きをとらえています。カナレットの明るい広場や大運河から、グアルディのリアルト橋、サルーテ聖堂、サン・ミケーレ島へ。一つの街を二つのまなざしで味わってください。

2026年10月23日

 アーカイブ 

浮世の美人たち ― 春信・清長・歌麿

今週の日本の美術

江戸の版元が売り出した品のなかでも、当世風の女性を描いた美人画は特に人気のある題材でした。このコレクションでは、三人の名手を通してその流れをたどります。1760年代に多色摺の錦絵の誕生に関わった鈴木春信は、華奢で少女のような人物を、静かで夢のような情景のなかに描きました。次の世代の鳥居清長は、すらりと背の高い女性たちが連れ立って寺社や湯治場、町を歩く姿を、のびやかな構図でとらえています。そして喜多川歌麿は画面いっぱいに顔や髪形、しぐさを大きく描き、赤子に乳をふくませる母や雨の夜道を急ぐ芸者といった日常のひとこまに美しさを見いだしました。並べて眺めると、およそ四十年のあいだに美の理想と女性を見るまなざしがどう移り変わったかが見えてきます。

2026年10月23日

 アーカイブ 

ケンセット ― 静かな水辺と広い空

今週の画家特集

ジョン・フレデリック・ケンセットは、静けさを愛した画家でした。同時代の多くの風景画家がそびえる山や嵐を描いたのに対し、ケンセットは穏やかな水面や低い海岸線、やわらかく広がる空を好みました。本コレクションは、トマス・コールの伝統を感じさせる1857年のハドソン川の風景と、1870年のコニーサス湖の夏の日から始まります。続いて、画家が世を去った1872年に描かれた作品群が並びます。これらは1874年にトマス・ケンセットからメトロポリタン美術館へ寄贈されたものです。浜辺や岩の岬、秋の湿地が、陸と水と空のわずかな帯へと簡潔にまとめられています。昼の光から過ぎゆく嵐、十月の色づき、そして夕暮れと海に沈む二つの夕日へと、ゆっくり移り変わる時間をお楽しみください。

2026年10月16日

 アーカイブ 

光に満ちた大地 ― ハドソン・リヴァー派の風景

今週のアメリカ絵画

19世紀のアメリカでは、のちに「ハドソン・リバー派」と呼ばれる画家たちが、若い国の自然をそのまま本格的な絵画の主題に据えました。創始者とされるトマス・コールと、その友人アッシャー・ブラウン・デュランドは、アメリカ北東部の森や川、谷を、木々や岩、移り変わる空にまで目を配って描きました。続く世代は、その眼差しをさらに広げます。クロプシーが描く陽光の谷、チャーチによる壮大なアンデスの風景、ビアスタットのヨセミテの断崖と滝、そしてギフォードによる金色に輝くイタリアの湖です。10点に共通するのは光です。晴れていく嵐の雲、葉のあいだから差す日の光、静かな水面に広がる金色のもや。広い眺めの前に立ち、遠くまでゆっくりと見渡してみてください。

2026年10月16日

 アーカイブ 

花束の三百年 ― フランドルからフランスへ

今週のヨーロッパ絵画

17世紀のフランドルやオランダでは、花瓶に生けた花そのものが一枚の絵の主役となりました。本コレクションでは、その流れをおよそ三百年にわたってたどります。はじまりは、ヤン・ブリューゲル(父)が銅板に描いた、ガラスのコップに挿した春の花の小品です。続いて、デ・ヘーム、ラッヘル・ライス、ファン・ハイスムによる豪華な花束が並びます。チューリップやバラ、ケシが暗い背景の前にあふれ、葉の陰には小さな虫たちが隠れています。最後はフランスのファンタン=ラトゥールが1880年代に描いた、落ち着いた色の壁を背にしたバラとパンジーです。花びらに当たる光や、カタツムリや蝶、鳥の巣といった細部にも、ゆっくり目を向けてみてください。

2026年10月16日

 アーカイブ 

広重と歩く東海道 ― 富士の麓から京の都へ

今週の日本の美術

江戸時代、東海道は江戸と京都を結ぶいちばんの大通りでした。道沿いには宿場が並び、旅人はそこで休み、馬を替え、食事をとりました。歌川広重はこの街道を題材に数多くの名作を生み、浮世絵の風景画を代表する画題に育てました。本コレクションでは広重の版画12点を道の順に並べ、富士山のふもとの平野から、夜の雪に包まれた蒲原、険しい峠道、夕焼けの城下町、雨の土山を経て、旅の終わりとなる京都・三条大橋までをたどります。多くは1833~34年頃に出版された名高い揃物からの作品ですが、後の摺りや、広重が手がけた別の東海道シリーズも含まれており、同じ宿場をどのように描き直したかを比べることもできます。荷を運ぶ人足や馬、駕籠かきなど、画面の小さな人物たちにもぜひ目を留めてください。

2026年10月16日

 アーカイブ 

肖像でたどるアメリカ建国

今週のアメリカ絵画

写真が生まれる前、肖像画は自分の姿を後世に残すための手段でした。18世紀のアメリカでは、それは同時に、自分が何者であり、どう見られたいかを示すものでもありました。このコレクションには、1750年代からおよそ1820年までに描かれた十二点の肖像画が並びます。十三のイギリス植民地がアメリカ合衆国へと生まれ変わった時代です。コプリーは、ボストンやニューヨークの裕福な家族を豪華な絹やビロードとともに描きました。続いてピール、アール、トランブル、ステュアートが、独立戦争と若い共和国の人々を記録します。商品や書物に囲まれた商人、赤ん坊を抱く母親、そしてワシントン、ジェファーソン、ハミルトンといった指導者たち。衣装や小道具、背景に目を向けると、それぞれの人物が新しい国の中で自分をどう見せたかったのかが読み取れます。

2026年10月9日

 アーカイブ 

光をとらえた戸外の風景

今週のヨーロッパ絵画

19世紀後半、フランスの画家たちはイーゼルをアトリエから持ち出し、浜辺や川岸、村の道に据えて描き始めました。水面にゆらめく光、木の葉を透かす光、雪に照り返す光、にぎわう通りを白く照らす光。目に映るままの昼の光をとらえることが彼らの願いでした。このコレクションは、1863年のブーダンによるトルーヴィルの浜辺から、1899年のピサロによる朝日を浴びた積みわらまで、およそ四十年にわたるその試みをたどります。シスレーの橋や並木道、マネの描いた舟遊びの二人、ルノワールのきらめく海辺も登場します。素早く刻むような筆づかいと明るい色彩で描かれた主題は、いつも「ある場所の、ある時刻の、ある空の下」の光景です。

2026年10月9日

 アーカイブ 

琳派でめぐる四季の花

今週の日本の美術

琳派の絵師たちは、花と金と季節のうつろいをこよなく愛しました。このコレクションでは、その作品をたどりながら一年を巡ります。始まりは、春まだ浅いころの古木に咲く白梅です。続いて金地の扇に描かれた藤、初夏の青い杜若、白い芥子と立葵、夏の終わりを告げる一面の朝顔へと移ります。秋は銀の月の下の草花と赤い柿の実、そして最後は藁の覆いで寒さから守られた牡丹で一年を閉じます。登場するのは俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、そして抱一の弟子である鈴木其一の四人です。二百年にわたる時代の隔たりがありながら、余白や輝く金箔を背に大胆で簡潔な形を置くという感覚は共通しており、一本の草花だけで部屋いっぱいに季節を感じさせてくれます。

2026年10月9日

 アーカイブ 

デューラー 版画の極み

今週の画家特集

アルブレヒト・デューラーは画家でしたが、ヨーロッパ中に名を広めたのは主に版画でした。このコレクションを見れば、その理由がわかるでしょう。ここに並ぶ作品はすべて、木の板を彫り、あるいは銅板に刻んだ黒い線だけでできています。それでも一枚一枚が、光と質感と物語に満ちています。年代はおよそ1496年から1519年まで。『黙示録』連作のにぎやかな幻想の場面や道で出会う若い男女に始まり、聖人たち、竜を踏まえて立つ騎士、三日月に立つ光り輝く聖母を経て、三つの名作へとたどり着きます。岩山の荒野にたたずむ聖ヒエロニムス、物思いに沈む翼ある人物の『メランコリアI』、そして1515年の鎧をまとったような『犀』です。近づいてご覧ください。太くなり、交差し、曲がる線が、顔や毛並み、金属、雲、さらには太陽の光までも形づくっています。

2026年10月9日

 アーカイブ 

暮らしのなかの富士 ― 北斎「富嶽三十六景」

今週の日本の美術

葛飾北斎の「富嶽三十六景」は、天保元年から3年ごろ(1830〜32年ごろ)に刊行された木版画のシリーズで、あの「神奈川沖浪裏」もこのなかの一図です。この展示では、人々の暮らしのすぐそばにある富士に目を向けました。玉川の渡し舟、梅沢の鶴、三坂の湖面に映る富士といった静かな水辺の景色から始まり、巨大な桶をつくる職人、隠田の水車、遠江の山中で材木を挽く木挽きたちなど、働く人々のにぎやかな情景へと続きます。富士は空いっぱいに描かれることもあれば、遠くに小さくのぞくだけのこともあります。それぞれの絵のどこに富士がいるのか、探しながらお楽しみください。

2026年10月6日

 アーカイブ 

オランダの空

今週のヨーロッパ絵画

17世紀のオランダは起伏の少ない平らな土地で、見渡せばいちばん大きく広がっているのは空でした。オランダの風景画家たちは、その空を絵の主役にしました。このコレクションでは、オランダ黄金時代の4人の画家、ヤン・ファン・ホーイェン、サロモン・ファン・ロイスダール、その甥ヤーコプ・ファン・ロイスダール、アルベルト・カイプの作品10点を集めました。どの画家も地平線を低くとり、画面の半分以上を雲に任せています。その下には麦畑や砂の道、漁師でにぎわう浜辺、帆船の行き交う川、遠くの教会の塔、そして最後に冬の暗い空の下の町が広がります。茶色と灰色だけで描かれたような静かな作品もあれば、青空が明るくのぞく作品もあります。雲間から差す光が、それぞれの場面の気分をどう決めているかに注目してご覧ください。

2026年10月6日

 アーカイブ 

アメリカの秋

今週のアメリカ絵画

黄金色の光と色づく木々に包まれるアメリカ北東部の秋は、19世紀のハドソン・リバー派とその後に続く画家たちが好んで描いた季節でした。このコレクションでは、そのうち4人の画家による8点の風景を集めました。運動を始めたトマス・コール、ジャスパー・フランシス・クロプシー、光の表現で名高いサンフォード・ロビンソン・ギフォード、そしてジョージ・イネスです。コールが描いた初秋のキャッツキル川の眺めから始まり、ニューヨークやニュージャージーの農地や村を描いたクロプシーの作品、日に照らされたギフォードの山の峡谷を経て、イネスの収穫の畑と、デラウェア川にかかる虹で締めくくります。緑の中にのぞく最初の黄色や赤、低い太陽がつくる霞、広い風景の中で静かに過ごす人や動物の姿をお楽しみください。

2026年10月6日

 アーカイブ 

岳亭の摺物

今週の画家特集

八島岳亭は絵師であると同時に狂歌師でもあり、とりわけ摺物(すりもの)で知られています。摺物とは、絵と一首または複数の歌を組み合わせた贅沢な木版画で、多くは歌人たちの注文で作られ、親しい人への特別な贈り物とされました。厚手の紙を用い、空摺(からずり)や、銅粉・銀粉などの金属顔料が使われることもよくありました。このコレクションでは、メトロポリタン美術館とアムステルダム国立美術館所蔵の岳亭の摺物11点を集めました。階段の官女、古の歌人、遊女、龍とともにいる弁財天などの人物から始まり、梅や酒器、大黒の槌を描いた静かな静物へと移り、華やかな踊りの場面で締めくくります。細やかな文様の衣装、浮き出すような白い空摺、絵のまわりに流れるような筆で記された歌に、ぜひ目を近づけてご覧ください。

2026年10月6日

 アーカイブ 

bottom of page